歯が抜けた

4歳の秋頃から時々前歯が痛いと言っていた智礼。

半年に一度歯医者で検診を受けているけれど虫歯もないし・・・と思っていた。

今年の春休みのある日、智礼が前歯を見てくれと真剣な顔で訴えた。

『歯が痛いの?』『いいから見てみて』『何で?』『いいから!』

触ってみると歯が揺れている。

『歯が抜けるんだ!』嬉しくて私は智礼に言った。

智礼は『歯医者さんに行く』目に涙を浮かべている。

智礼は前歯が虫歯で抜けてしまうのだと思ったようだった。

私は子供の歯が抜けて大人の歯になる話を智礼に聞かせた。

虫歯ではない事に安心した智礼はうつむいて袖で涙を拭うと、嬉しそうな顔をした。

『じっちゃんとばっちゃんに教えてくる!』と走っていった。

私は少し前から歯を気にしていた智礼の姿を思い出した。

ユラユラと揺れる前歯が虫歯かもしれないと思って、でもすぐには言えなくて

一人悩んでいたのだろう。

勇気を出して(?)話してみたら虫歯ではなかった安堵感、大人の歯になるという誇らしさ。

私は純真な智礼が本当に可愛くて仕方がない。

あれから約2ヶ月たった今日5月25日夜。ついに下前歯が抜けた。

2〜3日前から揺れが大きくなってきたと言っていたが、朝になって見てみると

前歯が倒れて皮一枚でつながっている状態。

歯が気になるし、抜けたのが分からなくて飲み込んじゃうかもしれないと不安な智礼。

歯が抜けるまでご飯は食べないと言い出したりしたが

抜けたら分かるしまだまだ抜けないと説明してご飯は食べさせた。

夕食後にスイカを食べている時だった。

『とも、歯が抜けた』といって口から歯をつまみ出した。

ちょうど家族全員が揃っていてみんなにおめでとうを言われ嬉しそうな智礼。

明日は屋根の上に『鬼の歯よりも強い歯にな〜れ!』と歯を投げる儀式をするよと言うと

すごく楽しみな様子。

それにしても歯がユラユラと揺れているのを見たり触ったりすると背筋がゾクッとして

あまり気持ちの良いものではないのだなぁと思った一日だった。

智礼は乳歯が生えそろうのも早かったし、抜け替わるのも同級生の知り合いの中では早いほうで

これからますます丁寧に歯磨きをしなくてはならない、と先週から

歯医者通いをしている私は思うのであった。

 

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