勇気の一歩
近所の保育園の園庭解放の日。
5歳児が元気に遊ぶ中、智礼はウサギ小屋へ行ったり三輪車をこいだり
気ままに過ごしていました。
砂場で遊び終えて、三輪車に乗りたくなった智礼。
空いている三輪車に向かう途中でお兄ちゃんのほうが一歩早く
三輪車に近づいて取られてしまいました。
園児はお片付けの号令がかかっていてお兄ちゃんは三輪車を片付けにきたのです。
『自分で貸してもらいに行ってごらん』と私が促すと
手を出して『貸して』と言いに行きました。
ついこの間までは『ママァ』といって私の手を引っ張って
私に交渉(?)させていたので、随分と成長しました。
いつも行く公園ならば、子供にはお母さんがついていて、
貸してあげなさい、順番ね、待っててねと言われる所ですが
子供だけの世界ではそうはいきません。
『だめ!』
それでもしばらくの間『貸して』と言っていましたが、
しつこく『貸して』をしていたので、大きな声で
『お片付けだから駄目!』と言われて智礼は大泣き。
『お兄ちゃん達はお昼なんだって。智礼も(清掃車に)バイバイしに行く?』
帰ることを勧めても首を横に振りつつ、
お兄ちゃんと三輪車を目で追っていました。
そして三輪車をしまったお兄ちゃんが出てくると
トコトコと三輪車をしまった所に歩き出しました。
お兄ちゃんは智礼を見ていました。智礼もお兄ちゃんを見ていました。
でも勇気を振り絞って(?)お兄ちゃんの横を通り過ぎて
三輪車にたどり着きました。
そして園内を一周すると、元の所に三輪車を片付けて『バイバイ、行く!』
その時の智礼の顔は、とても嬉しそうで満足そうでした。
取られても、泣かされても欲しいものはあきらめないぞ!という智礼を
はじめて見た出来事でした。
智礼の中でも印象的な出来事だったのでしょう。
今日は大きいお兄ちゃん相手に頑張ったね、と声をかけると
『貸して、駄目』と言ってシュンとしていました。
強くなる素質はある! 頑張れ、智礼!